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当日の様子

第4回名古屋大学ホームカミングデイが、10月18日(土)、東山キャンパスにおいて、全学同窓会との共催により開催されました。当日は、晴天で初夏を思わせるような陽気となり、また、本学関係者3名のノーベル賞受賞決定のニュースに注目が集まったこともあり、同窓生、学生のご家族や近隣住民の方々を中心に、4,500余名もの参加者がありました。

昨年度は、豊田講堂改修竣工式・同竣工記念ホームカミングデイとして2月2日(土)に開催しましたが、今年度は、例年どおり開催時期を秋とし、大学の強力な支援者である卒業・修了生、学生、学生のご家族、地域の方々等を対象に、地域と大学で考える「人と地球環境」をメインテーマとし、本学の教育・研究の活動状況やすぐれた成果を紹介するとともに、本学構成員との交流の場を提供し、地域との緊密な連携の強化及び知識基盤社会の中核として地域貢献の使命を果たすことを目的として開催しました。来場者には記念品として、名大ロゴマーク入りのペットボトルホルダーが配布されました。また、当日の運営には学生も加わり、名大祭本部実行委員会や陸上部、サッカー部、ラクビー部をはじめとする体育会、また、環境サークルSong Of Earthに所属する多くの学生の協力のもと、教職員と力を合わせて総合案内、会場整理などにあたりました。

■ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」20回記念科学フォーラム名古屋

読売新聞社とNHKが主催するノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」20回記念科学フォーラム名古屋が豊田講堂において開催され、「地球環境問題−ノーベル賞科学者からのメッセージ」をテーマに、物理学賞を受賞した江崎玲於奈横浜薬科大学長、化学賞を受賞したドイツのパウル・クルッツェン マックスプランク研究所名誉教授、野依良治特別教授・理化学研究所理事長の3名を基調講演者として招待し、コーディネーターを巽物質科学国際研究センター長が務めました。

フォーラムでは、読売新聞東京本社の白石興二郎調査研究本部長のあいさつに続いて基調講演が行われ、野依特別教授は、冒頭で今年のノーベル賞受賞者を紹介し、日本人受賞者4名のうち3名が本学関係者であったことを大変嬉しく誇りに思うと述べた後、環境と科学技術の関係について講演しました。クルッツェン名誉教授は、オゾン層の破壊が進んでいる現状を解説し、また、江崎学長は、研究者を取り巻く環境についての日米の違いについて説明しました。その後、コーディネーターの巽センター長を交えてパネルディスカッションが行われ、会場の方との質疑応答では、「ノーベル賞を受賞するにはどんな子育てをすればよいのか」といったユニークな質問もあるなど、パネリストの回答に会場が大いに沸く場面がありました。

参加した本学関係者や市民の方々など約950名は、ノーベル賞受賞者が目の前で繰り広げる議論に最後まで熱心に耳を傾け、地球環境問題への関心を高める契機となりました。

■ノーベル賞受賞記念展示

本学の卒業生である益川敏英博士(特別招へい教授・京都産業大学理学部教授)と小林 誠博士(高エネルギー加速器研究機構名誉教授)が2008年ノーベル物理学賞を、本学の元助教授である下村 脩博士(ボストン大学名誉教授)が同化学賞を受賞することを記念して、急遽、豊田講堂2階の展示室において、在学時の貴重な写真や博士論文をはじめ、今回の受賞理由となった研究を紹介したパネルの展示を行いました。

また、受賞発表直後の多忙な中、益川博士と小林博士から、ホームカミングデイへの来場者に対するビデオメッセージが届けられ、下村博士からは、電子メールによるメッセージが寄せられました。これらのメッセージは当日、豊田講堂ホワイエ階段前において披露され、多くの方が足を止めて映像やメッセージに見入っていました。

展示会場では、「小林・益川理論」に関連するDVDの上映や研究紹介、下村博士の「緑色蛍光たんぱく質」の実験も行われました。

午後には、理学研究科が主催する緊急企画として、経済学部カンファレンスホールにおいて、本学の専門家が解説する「小林・益川理論」と「緑色蛍光たんぱく質GFP」が開催され、今回の受賞対象となった研究についての解説が行われました。

■テーマ展示「人と地球環境」

野依記念学術交流館1階ホールにおいて、メインテーマである「人と地球環境」に関連した研究を行っている生命農学研究科、環境学研究科、太陽地球環境研究所、エコトピア科学研究所及び地球水循環研究センターを中心に研究活動の紹介を行いました。

「人と地球環境」は、本学がここ数年大きな貢献を果たしてきた学問分野であり、「人」、「環境(環境問題)」、「自然(自然災害)」、「温暖化(地球気候変動)」、「地球」といったカテゴリーごとに、パネル展示や実演を行いました。特に、「南極観測と地球環境」の研究紹介コーナーでは、昭和基地付近の氷河から流れ出た氷山の一部で、数百年前の空気が気泡として閉じこめられている「南極の氷」が、来場者が直に触れることができるように展示され、多くの方の興味を惹いていました。

また、特別展示として、藤田耕史環境学研究科准教授の協力により、朝日新聞社が撮影した「氷河は語る−第三の極地ヒマラヤ」が行われました。

■サイエンスショー「笑顔いっぱい! みんなで環境おもしろ実験ショー!」

今回のホームカミングデイの特徴として、地域ぐるみの教育再生を実現するため、未来を担う子どもたちに対する環境教育を通して、子どもたちの知的好奇心を育み、その可能性を広げるきっかけの場としての大学の役割を果たすことを目的に掲げ、名古屋市環境局職員で環境カウンセラーの森本章夫氏、生命農学研究科の卒業生でエコロジストのジョン・ギャスライト氏及びなごや生物多様性アドバイザーの長谷川明子氏の3名によるサイエンスショー「笑顔いっぱい! みんなで環境おもしろ実験ショー!」をシンポジオンホールにおいて3回にわたり開催しました。

このサイエンスショーは、主に小中高校生を対象に開催されたもので、各回とも定員の150名を越える多くの親子連れが会場に足を運び、楽しいトークとともに会場参加型の「CO2を食べる? 〜サイダーをつくろう!」、「木の水を吸い上げる力」、「生きもの〜命のつながりゲーム」などと題した実験やゲームを通じて私たちの暮らしと地球環境について学ぶことを目的にステージが繰り広げられ、毎回、予定時間を超えて盛り上がりを見せていました。

また、豊田講堂ホワイエでは、名古屋市環境局の協力により2010年10月に名古屋市で生物多様性に関する国際会議「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」が開催されることもあり、「生物多様性について考えよう」と「みんなでへらそうCO2〜なごやエコライフものさし」の関連展示が行われました。

■トークセッション「脱温暖化社会を目指して =名古屋大学の挑戦=」

メインテーマである「人と地球環境」に関連し、日本テレビ系の環境特別番組の制作に携わって来られた清水竜史ディレクターをパネリストに迎え、これまでの番組制作を通じて集められた様々な映像により、地球の至る所で起こっている異変について紹介し、林環境学研究科長をはじめとする環境学研究科の5名の教員も参加して、砂漠化・黄砂、大洪水、竜巻などの地球のさまざまな変調、都市構造、交通などの脱温暖化社会に向けた技術システム、2050年マイナス80ロードマップ提案などの脱温暖化社会に向けた政策措置について議論を展開し、温暖化問題を解決するために個人ができることは何かについて、考える契機となりました。

■多彩な講演会・展示の数々

テーマに関する講演、展示に加えて、各学部・研究科が主催する催しが数多く行われました。

豊田講堂ホワイエでは、グローバルCOEプログラム、大学院教育改革支援プログラムを中心に、最先端の研究成果及び教育プログラムについての展示が行われ、IB電子情報館では、9月25日に工学研究科において開催されたテクノ・フェア名大2008で紹介された研究成果の展示に加えて、同日開催された「環境触媒シンポジウム−私たちの環境を守る触媒技術−」で講演を行ったトヨタ自動車、日本特殊陶業、日本ガイシ、東邦ガスによる展示が行われました。

野依記念学術交流館2階カンファレンスホールでは、環境医学研究所市民公開講座2008「やさしい痛み学」が開催され、「がんの痛みは怖くない−がんの痛みのメカニズムと治療−」をはじめとした講演や質疑応答が行われました。

附属図書館では、「西洋近代思想と永井文庫−最大多数の最大幸福を求めて−」と題した秋季特別展と関連講演会、オープンライブラリー及び附属図書館見学ツアーが開催されました。

博物館では、旧教養部の前身であり、教養教育の源流でもある旧制第八高等学校が創立されてから今年で100周年を迎えることを記念し、大学文書資料室との共催により第15回企画展「伊吹おろしの若者たち−八高創立百年の歴史から」が開催され、あわせて、「走査型電子顕微鏡を使ったミクロの生物探検ツアー」が実施されました。

■その他趣向を凝らしたイベント

豊田講堂南側ピロティの販売コーナーでは、今回初めて「本のリユース市」を実施し、開場前から多くの人の列が出来ました。附属図書館で不用となった貴重な学術書や珍しい辞典などが出品され、多くの方に有償あるいは無償で譲ることができました。

また、恒例となった生命農学研究科附属農場生産物の販売、大学生協による名大グッズの販売に加え、今回初めて実施した名古屋大学出版会による刊行物の割引販売も、絶えず多くの人で賑わっていました。

豊田講堂前庭では、民族舞踊団音舞による公演、名古屋大学軽音楽部によるジャズコンポ、名古屋大学フォルクローレ同好会による演奏会及び名古屋アカペラサークルJP-actによるライブが開催されました。

附属図書館隣接グランドでは、和式馬術部による木曽馬での流鏑馬実演及び木曽馬の体験乗馬会が行われ、会場には平野総長、豊田全学同窓会会長をはじめ多くの親子連れなどが見学に訪れ、緊張感に包まれる中、騎射が行われ(9射中3的中)、来場者は十分に流鏑馬の臨場感を楽しみました。

陸上競技場では、同窓生の尽力により、午前中にトヨタヴェルブリッツと本学ラグビー部による親子ラグビー教室、午後にサッカー元日本代表の井原正巳氏による親子サッカー教室が開催され、事前に申し込みを行い選ばれた親子が、晴天の中、爽やかな汗を流していました。

■同窓会、保護者対象企画行事

豊田講堂で行われた全学同窓会総会をはじめ、各学部・大学院においても同窓会関係行事が行われ、国際言語文化研究科及び環境学研究科では同窓会発起・設立準備式が開催されました。

また、教育・研究をはじめとする大学の取り組みをご理解いただき、強力な支援者となっていただくため、保護者対象企画行事を開催し、今年は10部局において、教育目標・教育課題及び進路・就職状況等に関する説明や教員と保護者との面談形式での相談会などが、部局毎に趣向を凝らした内容で行われました。今回初めて、この保護者対象企画行事への参加者に大学生協の無料食事券が配布され、日頃、学生が食べている食事を体験していただく企画が実施されました。

ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:開会あいさつをする白石調査研究本部長 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:会場の様子 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:基調講演を行なう野依博士 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:基調講演を行なう江崎博士 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:基調講演を行なうクルッツェン博士 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム:パネルディスカッションの様子 益川博士からのビデオメッセージとノーベル賞展示を見る(左から)豊田会長、平野総長 ノーベル賞展示を見る(左から)平野総長、豊田会長、丹羽会長 ノーベル賞展示会場の様子 テーマ展示「人と地球環境」:南極の氷の展示 サイエンスショー:会場の様子 サイエンスショー:実験風景 会場を巡回する無料シャトルバス IB電子情報館の様子 IB電子情報館を視察する豊田会長 本のリユース市の様子 学生野外コンサートの様子 学生野外コンサートの様子 和式馬術部による流鏑馬の実演 親子ラグビー教室 親子サッカー教室 全学同窓会総会:会場の様子 全学同窓会総会:あいさつする豊田会長

来場者アンケート結果

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